necessary

ハマったものについて書いたり書かなかったり。

江渡貝くんについて(続々8巻感想)

もう来月には新刊予定だとか。コミック(電子書籍にはなし)で今冬だとか書いてあった乙女白石予告は幻覚だったのか?

9巻発売前にダラダラと8巻感想を書くとする。というか、主な更新理由は前の記事から1ヶ月過ぎようとしていたので「なんか書け」とはてなブログからメールが届いたからです。
以前の8巻感想は応募しましたし届きましたし変態だし(ゴールデンカムイ8巻感想) - necessary谷垣過去話周辺について(続8巻感想) - necessary


個人の趣向により鶴見中尉に気を取られまくり江渡貝くんについてはかなり書き損ねてしまった。と言う訳で今回は江渡貝くぅんについて。この人は何なんだろうな。個人的にはあまりにもぶっとんで共感できないまま高速で過ぎ去っていった。二瓶や辺見や親分姫とは違うのは彼が脱獄囚でもなんでもない普通()の一般市民であるというところです。
元ネタであろう人についてググってみました。漫画だとそこまで(いやアカンけど。多分読み手の私の感覚が麻痺してる。)思いませんでしたが本物の人皮で作った実物見ると何とも言えない嫌な気持ちになりましたよ…。生理的嫌悪感。何が嫌って漫画だと坑夫というだけに男性の皮(母親除く)がほとんどでしたが、実際は女性(しかも母親と同じくらいの)ばかりというのが…。
殺人ホテルの被害者、眼鏡くんと声が可愛い娘さんカップルでの眼鏡くん処理後のアレ(逆さにぶら下がってるやつ)も、江渡貝くん元ネタなんですね。漫画だとやっぱそこまで思わなかったけど現実だと知ると全然違ってくるなぁ。正直すごく嫌な気持ちになりました。

一冊の内に登場→死亡の江渡貝くんだからか、去勢されたとか死んでからも母親に支配されていたとか、かなり重い過去があるわりにはキャラ描写あっさりしてるかも。これもストーリーのテンポがいいからでしょうか。
……いや、あっさりと言えない! 一瞬とはいえ変態ファッションショーをあっさりと呼べた自分に驚いた。あっさりというには濃すぎる。慣れた自分が怖い。
公式サイトの江渡貝くぅん壁紙、本編のファッションショーをおしゃれに飾っただけでも衝撃的ですよね。あれと白石フェイス壁紙は壁紙にしたら目が悪くなりそう。
人の皮なのを除いても悪趣味ですよ。造形が悪趣味。はっきり言うと気持ち悪い。まさに「なんなのだこれは…!」。乳首ベルトは元ネタにもありましたが乳首やっぱキモい。一体につき2つの乳首をあれほど集めたのにも嫌悪感。例えばあれが普通の布地の服だとしても悪趣味。股間に人の顔、しかも下のあそこらへんに頭皮を持ってくるなんて、嫌だ! 半ケツ出てるやんけ! なぜあれをドレスにしたんだ! それを何褒めとんねん! 何照れとんねん! そんで何故踊るのか……! 社交ダンス出来るなんておっしゃれー……。
人の皮を加工して着用したいってのが一番悪趣味なんですけどね。なんというか、人と仕事で剥製にする動物の差があまりなかったのかな。普通ははっきり差がつくんですけどね。

母親と同じくらいの女性に好意(という名の執着)を持ったり、女の人の皮で女性のように仮装した元ネタの人と違い、江渡貝くんはあくまで男性。女性用のようなドレス作って着てましたけれども。逃れられない母親の愛も大事にしていたとおもいますが、心の奥底では数少ない理解者であった父親のような人を強く求めていたのでしょうか。
そこにつけ込んだのか、哀れに思ったのか鶴見中尉。というかさっきの話に戻りますが、あっさりだと思った原因は江渡貝くんの過去やそれとの決別を描くと同時に鶴見中尉の行動理念が描かれていて、私は鶴見中尉の方が気になったからかもしれない。尾形の親殺しを彷彿とさせる発言や鶴見中尉を死神だと言ってるシーン諸々から、もしかして花沢中将(尾形父)も江渡貝くんが母を撃ったように鶴見中尉がうまいこと尾形を促して殺らせたのかなぁ……。
江渡貝くんは良くも悪くもうまいこと使われたまま亡くなりました。結果的には最後に最高の理解者に出会えて良かったのか、それとも平穏ぶち壊す悪魔(江渡貝母が幻聴で言っていた)に見つかるという不幸な出来事だったのか。

母親やその他剥製から聴こえた幻聴は江渡貝くんの心の声でもあります。多分初対面(玄関の扉開けた時)で『うわ、何この人ズルむけおでこだ……』と思っていたから母親(幻聴)も罵倒シーンでズルむけおでこだと言ったのでしょう。あと弥作さんは信用し過ぎだから~とかなんとか剥製Aが言ってましたけど、幻聴は回りまわった自らの本心。自分でもそこは分かっていたし、あんなに警戒していて、嘘ついて、なんならバレたから殺そうとしたのに結局中尉に陶酔というか信じまくってしまったんですね。良くも悪くも純粋だったのか。一応誰も殺してはいないのに死ななきゃならない(死体損壊などはしてるけどさ)。もっとエグい事やってる家永は元気に生きてんのにね。不遇です。この漫画、主役級以外のイケメンは結構死にやすい(例 三島。不遇極まりない)
。まぁ、不遇なのは前山さんもですね……。合掌。

江渡貝くんが鶴見さんになでなで、よしよしされたい、までは理解できます。でもペロペロ? ペロペロとは……? ん?

話変わりますが、「剥製屋の坊やは~」の台詞読んで頭に浮かんだ事があります。読んでてすぐわかりそうなもんなのに今ごろ何言ってんだって感じですが書きます。尾形は情報流してくれる仲間がいるのかな? 土方一味以外で。
牛山曰く勝手にいなくなったらしいし、尾形がいきなり夕張についてそこに辿り着くのもおかしいし、江渡貝くんにはまだ一度も会ってないのだから何かしら仲間がいて剥製屋の話を聞いていないとおかしい台詞です。鶴見中尉の部隊にまだ仲間がいるのか、それとも第7師団本部からのスパイがいるのか。

とここまで書いてなんですが、単行本派とはいえ、話が気になるのでいけないと思いながらも立ち読みしてます。というか公式でちょくちょく出てきますので……中尉想像以上にヤバイなと思います。