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ハマったものについて書いたり書かなかったり。

最近買って読んだ漫画感想

ゴールデンカムイ9巻の感想を書こうとして一度詰まったら年が明けてしまい、もう3月間近です。このまま90日経過して広告増えるまで待とうかとちょっと迷いましたが、とりあえず書けそうな事だけ書きます。最近読んだ漫画の感想や便乗自分語りです。ネタバレも紛れ込んでるかもしれません。

北陸とらいあんぐる1巻

電子書籍でも本でも値段が変わらないので紙の本で買いました。多分地元の本屋で買えば関連したPOPなどあったんでしょうが、ポイント目当てに楽天で購入しちゃいました。
北陸三県(新潟はいません)出身の女子高生三人がご当地ネタなど盛り込みつつ、わちゃわちゃする漫画です。この手の漫画で福井のキャラクターが眼鏡キャラにされるのはもう慣れたものよ。
でも他のところは県庁所在地なのに福井だけ鯖江なのはちょっとひどくね?

可愛い女の子(の百合漫画)に定評のある石川県出身の方が作者だそうです。ちょくちょく百合風味のシーンもあります。がっつり百合ではないし、女の子がその通り皆可愛いので私は全然気になりませんでしたが、苦手な人は苦手かもしれない。…そんな人はまず買わないか。表紙で分かるわな。

北陸三県に限らずどこも本当はお国自慢したいものですが、どうしても人口や知名度の差でマイナーに属してしまうような地方民にはなかなか難しいものです。特に人口の少ない福井。ガチで福島や福岡と間違える人と会った時は相手が一言で表すなら○○(自主規制)だから、と流石に思いました。これ、福井どころか福岡と福島だってろくに知らない人じゃないとここまで間違えられないので。けどこれがあるあるネタになるあたり、理由はそんなことではないのでしょうね。そう、知名度がないから…。この漫画で北陸のお国自慢が増えることを願います。

8番らーめん。県外から来た人たちに「悪いけどあれはラーメンではない」とdisられます。こちらも「あれはラーメンというより地元の味であって…」とよく考えると意味不明な擁護をするのですが、「それは分かってるけど許せない」とまたdisられる。なんとも悲しい会話です。私は8番らーめんの唐揚げが好きです。野菜炒めの乗ってる、塩味のラーメンが好きです。昔懐かし中華そばみたいなものです。許してください。そもそも8番らーめんは石川県発祥なのですがそこまで言うのはめんどくさい。名前は国道8号線由来です。秋吉や100満ボルトは福井です。

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ついでに貼る。北陸ではルマンドアイスが大量に売られています。1袋にルマンド4本入りで美味しかったです。ただ値段は少々お高めです。

ダンジョン飯4巻(電子書籍)

ほぼ対レッドドラゴンです。全体的に今までよりシリアスです。といって面白くないのかというと違います。面白いです。同じ作者さんの短編集のコミックを読めば一番よくお分かりになるでしょうが、この方はギャグもコメディもうまいけどシリアスもうまいのです。
その分、おなじみのおまけ漫画はいつも通り。竜に対するオタク(ライオス)の悲哀はオタク特有の面倒臭さでいっぱいでとても共感しました。「決してニワカじゃないけど、でも上の人から見たらニワカに毛が生えたようなものだし、そんな自分が偉そうに語ってはいけない」から当たり障りのない事しか言えず、結果的に歯がゆい思いをして嫌いになりかけるあるあるです。一般人から見たらその界隈ですごい人も、中途半端な人も、ニワカも、全ておんなじキモいオタクにしか見えないところもオタクあるある。

タンスじーちゃんの回想のライオス一行(ライオスだけではなくマルシルも、なところ)の目がやばいのも注目です。病んレズっ気の垣間見えるマルシルにも注目です。迂闊に下ネタをチョイスして周りにドン引きされるハーフウッド(29)や、表紙で大いに健康的な太ももを晒すセンシにも注目です。ファリンはやはり癒し系。
他の巻と違い、合間合間の黒いページが多くてちょっとビビります。あと、あの黒いエルフの子のマジで激おこする3秒前みたいな顔で終わるのが不穏で気になるところです。

パレス・メイヂ1〜6巻(電子書籍)

1巻が期間限定無料だったので読みました。そしてまんまとハマり既巻全て買ってしまう。これがまた上手いんですよ。この漫画、1巻のみでもその中で完結してるので下手な話、続きを読まなくても納得出来るんです。もちろん面白いので続き読みてぇ!と思います。でもあまりにも1巻の中で綺麗に収まってるので我慢できるんです。ここで終わらせてもいいと思えちゃうんです。
そこでこれ、期間限定で2巻が半額なんですよ…。半額なら買っちゃうじゃないですか。そりゃ2巻まで読んだら、もう我慢できないじゃないか! バカ! 商売上手!
今出ている6巻までまんまと買いました。買って満足です。早く続き読みたいです。

そもそも何故読もうと思ったのか。それは表紙を見て思ったからです。「この子(表紙左側の女の子)、トライアングルのりほりほ(モーニング娘。を今は卒業しました鞘師里保ちゃん)みたいだ…」と。トライアングルという舞台でキリという軍人(男)役を演じた時の彼女っぽくて気になって読んでみようかと。あの時ちょうど髪型がこんな感じで、ちょうどキツネ目の子で、年頃もちょうど陛下と同じくらいでした。この漫画の連載が始まったのはトライアングルよりずっと前だし多分全然関係ないのでしょうが、私が読み始めるきっかけは表紙の子がりほりほに似てるからです(二度目)。調べたら過去の「この漫画が凄い!」でランクインしていた知る人ぞ知る漫画でした。

そんなりほりほ似(個人的な感想です)の陛下こと帝の彰子様と、その侍従職出仕(少年期間限定)の貧乏華族御園くんのお話です。架空の国の架空の話、所謂パラレル(明治)大正時代なんですが、巻末にある参考資料の列から察せられる通り、宮中行事や当時の風俗、事件などがいい感じに盛り込まれていてそれだけでも興味深いです。だがしかし、メインは陛下と御園の甘酸っぱ切ないラブストーリーです。勝手に読者の総意を述べるならば、この二人の未来に幸あれ…!! 出来れば共に…。
彰子が天然というか、自らの恋心になかなか気づかないんですがそれも全然嫌味がないんですよ。しかも、5巻(この巻は表紙がまた内容とリンクしてて素晴らしいんだな!6巻も良い!)でばっちり気づかざるを得ない時がくるのですが、また気づいてからの対応が早い!(`;ω;´)
気づいてからモジモジしない! なあなあにしない! これだから陛下好きなんだよ! でもそれはやめて! と、まあ切なさでヒイヒイしながら読みました。
御園くんは御園くんで嫌味がなく応援したくなる男というか、ひたすらイイヤツでして。学校での成績は平凡、というか下手すりゃ…ですが、気遣い力なら甲、100点満点に近いのでは。ちゃんと周りの信頼も得て成長しているのでもう見守るしかありません(そもそも読者は見守る事しか出来ない)。6巻ラストの彼は彰子様フィルターがなくともイケメンです。

個人的に好きな脇キャラは黒田。お律も好き。女官長も好き。
ついでに第三の主役とも言える宮様について。女官長侍従長がイトコでそっくりだ、とありましたが陛下と宮様もそっくりなんですよね、見た目は。逆に中身は…。宮様は多分自分よりも凄いやつに会うと燃えるタイプのSなんでしょうが、身分的にその自分よりもすごい女にピッタリ当てはまるのが彰子だけだったって気がします。見た目そっくりなのである意味ナルシストなのでは。あの追いかけっぷりはしつこ…情熱的ですね。性格悪いけど、でもしかし悪人ではない有能な人物なので陛下も御園もそこまで嫌いになってないです。読者も…と言いたいところですがこの漫画は露骨な悪役が少ないので嫌いな人は嫌いだろうなー。私は彰子が絶対宮様と結婚しないだろうなと分かってるので嫌いになれません。好きにもなれませんが。

残酷な神が支配する1〜10巻(電子書籍)

3巻まで期間限定無料だった時に読んで、気になってしょうがなくなったのでラストまで一気に買いました。ある意味3巻(人によっては4巻)までが頂点に登る過程で後は下るだけ、なんですがその下りが倍以上の10巻まででも終わらないのです。いや、山っていうか、海溝ですね。沈むところまで沈んでから、また眩しい海上へ浮上するのに何年かかるんでしょうか。

パレス・メイヂが恋の切なさでヒイヒイ言わせる漫画なら、これは虐待やその後遺症の痛々しさで読者をヒイヒイ言わせる漫画です。何が痛々しいって主人公のジェルミです。しかもジェルミ以外にも種類は違えど虐待や暴力があって、その波紋でまた痛々しい出来事が生まれてまさに痛々しさのオンパレードです。でも現実だってこの話と大して差がないのにこうも痛々しいと思うのはじっくり、悪く言うとねちっこく書いてあるからだと思います。特に浮上する過程を。漫画なのでもちろんあっさりだったり、普通じゃあり得なさそうな展開(BL)もありますが、でも現実だってね。人間、深く考えなかったらそこまで痛く思わない。

もう一人の主人公、イアンはなんというか、清涼剤でした。少なくとも読んでる私にとってイアンが出てくるとなんかホッとしたものです。ナディアやオーソン先生やバレンタインなども清涼剤でしたが、後々わかりますが無意識にジェルミもイアンを清涼剤だと思っていた模様です。あの中じゃ普通なんですもん。何も知らない残酷さもあったけど、ラストにまたあのセリフとあの風景が出てきたのは良いなと思いました。4巻以降は一気に巻き込まれてジェルミもろともぐしゃぐしゃになりましたがそれでも普通(まとも寄り)なんです。リンデンには普通じゃないと言われましたが。ギャグというか、クスッとするシーンはイアンがいる事が多いからでしょうか。イアンだって悲しみに沈んでるけど、彼主観だとどこかポジティブで爽やかですよね。ジェルミもそこらへんに救われたのでしょう。

で、結局誰が悪いのか。巨悪の根源ことサドの男色野郎グレッグ? 自分の子供を守るどころか子供に寄りかかって甘え腐ってたサンドラ? まーグレッグさえ居なきゃ良かったのは間違いないです。最初のジェルミは真っ当で、普通で、良い息子でした。だからこそ崩れていく様子が可哀想で可哀想で。逃げ道は気づいても見知らぬふりした母親で塞がれてるし、そもそも見知らぬふりがなくても母親のせいで逃げられなかったし。グレッグはひたすらジェルミの嫌がるところ(ビビ関連、バレンタインのくれたイースターエッグ…)を目ざとく見つけてメタメタにしましたね。そんな圧倒的加害者グレッグさえも元を辿れば純愛というか、親子や夫婦にあるはずの愛を裏切られた結果こうなったのですが、でもグレッグは悪です。駄目です。クソ野郎です。逃げられないと分かってる相手を八つ当たり(性欲、暴力)の対象にするくそったれです。
それが分かっていながら助けなかったサンドラも相当罪深いです。夫が急に亡くなったから、だけじゃこうはなるまい。バレンタインの自傷痕を見た時のジェルミも思ってましたが、本気で死ぬ気はないのに子供にそれを見せるいやらしさ。母親と女を両立できるならいくらでもすればいいですが、恋すると女だけしかできなくなる人に母親面しないで欲しいですね。子供は親を選べませんから。それでも親だから、子供はついていくしかないので。

女性キャラだとバレンタインとマージョリーが好きです。ビビもいい子です。
この後ジェルミとイアンはどうなるんでしょうね。こんな事があったなんて嘘のような普通の、それぞれ結婚して、はたまた二人仲良く暮らしたりして幸せになる未来があるのかもしれないし、何らかの愛の裏切りにあってまたぐしゃぐしゃになったり、無意識に子供に影響してしまい、次は子供がぐしゃぐしゃになったりするかもしれない。残酷な神が支配するこの世界はどうなる? 残酷な神ってなんでしょうね、なんとなく分かるようで分からない。終わりがないことかな? 親子・夫婦などの絆? 何も手を加えないけど存在自体はしているもの? むしろ愛が残酷な神?
いつも以上に抽象的な気分になるのはあまり深く考えると、あの心理カウンセラーの先生のように痛くてたまらなくなりそうだからです。あの先生は読者の代弁者ですね。
世の中には痛々しい事が散らばりすぎて深く考えないようにしないと生きていけない。

ゴールデンカムイ10巻(予約)

感想書きようがありません!だって発売前だもの!
3月17日発売です。表紙は誰だろうなー? 月島さんカモン! 大穴二階堂!
発売まであと半月。さーて、9巻感想間に合うかな? 間に合わないかな?